He or She? ジェンダーレス男子が増えている

街でレース素材のシャツを着た男性やスカートを履いた男性を見かけた事がありますか? またウィメンズのストアで男性が女性のサイズのスキニーやジャケットを購入したり、試着したりする男性客を目にします。こういった性を超えたファッションはノージェンダーといい、着こなす男性の事をジェンダーレス男子と呼びます。

2015年春夏コレクションで突然、話題になったノージェンダー文化、ジェンダーレス男子は、どういった経緯の元に増え始めたのでしょう?

そもそもジェンダーレスとは?

ジェンダーレス、ノージェンダー、トランスジェンダーという言葉が、雑誌の巻頭見出しやテレビなどのメディアで取り扱われる機会が増えてきました。では、ジェンダーレスとは、どのようなカルチャーなのでしょうか?

性差を超えたファッションスタイル

性差を超えたファッションといっても正直わかりづらいと思うので、馴染みのあるアイテムを用いて説明します。

性差とは、洋服で言えば、スカートやフリルのような可愛らしいアイテムは女性の洋服と決められて、男性の洋服と言えばビジネススーツのような服と定義して性の差があることです。

ノージェンダーとは男性が7cmに及ぶヒールブーツを履き、ロングスカートを着るような、従来の性の枠を超えたファッションです。

では現在、なぜジェンダーレスなのでしょう?

2008年リーマンショック以降、まだ続く不景気

経済とファッションって関係ないと思われますが、洋服と経済は密接な関係があります。洋服の丈感だけではなく、ジェンダーレスというカルチャーは例えば家庭を持っている方であれば、夫と嫁で、洋服をシェアする方たちもいれば、兄弟姉妹で服をシェアする方もいます。また仲が凄く良い男性友達、女性友達とシェアする方もいます。

ニットやコートをシェアすれば、手持ちの洋服の数が減り、高額品になっても結果的に節約につながる、こういった理由からジェンダーレスは人気を誇っています。

②トランスジェンダーに対する世間の意識変化

同性婚がアメリカで認められてから約1年が経過しようとしています。同性婚、男女平等を訴えるフェミニストの活動、性同一性障害の方々の運動、さまざまな観点から、私たちは、性に対して特に敏感になり始めています。また、世間においてネガティブな印象ではなく性に対し、思考の変化も多様化してきました。性の境界線を無くしたジェンダーレスの考え方は、そのような観点からも人気があるのだと感じます。

時代を映したジェンダーレス・スタイル

ファッションは、時代を映す鏡だと昔から言われています。ジェンダーレスの文化は20世紀初頭のギャルソンヌ文化に通じていると感じます。

1910年代から1920年代にかけて、男性らしい女性=ギャルソンヌ文化が流行しました。第一次世界大戦勃発の1つの要因である経済不安から女性も働く必要性が生まれた為に既存の膨らみのあるボリューム感を感じる装いから、動きやすく活動的な装い=フラッパーに変わりました。装いは、ライフスタイルの変化にも影響しています。20世紀初頭になり、当時の固定的で、室内にいるのが常識だった風習を覆しました。その後、現在まで幾度となく女性側は男性側に歩み寄っていきました。

ユニセックスという言葉も、その分かりやすい例です。しかし、ジェンダーレスのように男性側が女性側に歩み寄るのが、これほど鮮明に分かるのは、常識だった従来のスタイルを覆した現代特有の装いです。

今後、どうなるのでしょう?

ジェンダーレスのように性差を超えたファッションが登場した事により、ファッションが新しい時代に突入していると考えます。消費者としては、自分の個性や性格に合う服を着ても他者から否定される事は、さらに少なくなると思います。また生産サイドである、ブランドやデザイナーにしても、性差を超えたのであればファッションショーを男性、女性と分けて発表する必要も無くなり、手間や時間、コストも減少し過密すぎるスケジュールに余裕を持ち仕事が出来ると、筆者は考えます。

それは、デザイナーだけではなく生産業者にも言えると思います。男性服と女性服の新作発表時期が異なるため、生産ラインのプロセスも、今後は変わってくるのではないだろうか。今後ジェンダーレスが人気を保持し続けたら、生産サイドは男性と女性のファッションショーが統合され、過密すぎる日程が緩和し生産ラインの工場のプロセスまで変わるかもしれません。消費者サイドは、他人から畏敬の目を向けられる事も無く、パートナーや兄弟姉妹とシェア出来る洋服を選び、ファッションをより楽しめる時代がやってくのかもしれません。

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